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ヴィンテージウォッチの買い方

3 時間前
読了時間: 7分
テンポ・パサードで見られたユニバーサル・ジュネーブ トリコンパックス

テンポ・パサードに登場したユニバーサル・ジュネーブ トリコンパックス。写真:IPR


11月28日(土)、ヴィンテージ時計フェア「テンポ・パサード」が第5回を迎え、リスボン・ジュピター・ホテルに戻ってきます。テーブルには製造から40年、60年、100年を経た時計が並びますが、工場を出たときのままの姿で今日まで残っているものはほとんどありません。それ自体は問題ではありません。問題は、自分が何を買っているのかを知らないことです。本記事は、古い時計にお金を払う前にどこを見るべきかをまとめたIPRのガイドです。


オリジナルか、サービスパーツか、寄せ集めか


半世紀を生きた時計は、オーバーホールや衝撃、割れた風防、すり減ったリューズを経験しています。部品交換はどの時計にとっても生涯の一部です。買う側にとって大切なのは、どの部品が、なぜ、誰によって交換されたかを知ることです。


  • オリジナル: 文字盤、針、ケース、ムーブメントが製造時のもので、互いに整合している。

  • サービスパーツ付き: オーバーホールの際にメーカーが文字盤、針、ベゼルを新しい部品に交換したもの。純正ではあるがオリジナルではなく、オリジナル個体より評価は下がる。

  • リダイアル: 第三者が文字盤を塗り直したり印刷し直したりしたもの。良い仕上がりであるべきで、歴史的なオークション向けの時計より、日常的に使う時計に向いていることがある。

  • リルーム: 文字盤や針の夜光塗料が塗り直されたもの。

  • 寄せ集め(「フランケンシュタイン」): 別々の個体の部品で組み上げ、工場からそのまま出てきたかのように売られる時計。


誠実な時計と悪い取引の境目は、ほとんどの場合、説明の中にあります。サービスダイアル付きの時計が、その旨を明示し適正な価格で売られているなら、正当な買い物です。同じ時計を「フルオリジナル」として売るなら、そうではありません。


交換された部品は欠陥ではない。隠された交換部品こそが問題だ。

大手オークションでさえ無縁ではありません。2021年、オメガ スピードマスター Ref. 2915-1 がフィリップスで3,115,500スイスフランで落札されましたが、後にオメガの部品を寄せ集めたものと判明しました。詳しくは「320万ユーロのオメガ・フランケンシュタイン」(ポルトガル語)で取り上げています。


文字盤:価値の大部分はここにある


ヴィンテージウォッチでは、文字盤が価格を最も大きく左右する部品であることが多く、同時に最も塗り直されやすい部品でもあります。注意すべきサイン:


  • 使い込まれた時計に完璧な文字盤。50年経てば痕跡が残ります。ケースが疲れているのに文字盤が新品同様なら、理由を尋ねましょう。

  • 太すぎる、ずれている、中心から外れている、あるいは縁に近すぎる文字。

  • 同じリファレンスの記録された個体と一致しないロゴ、書体、表記。

  • インデックスと色や経年変化が異なる針の夜光塗料。


文字盤下部の表記は年代判定の手がかりになります。1960年代初めまではラジウム系の夜光塗料が使われ、多くの文字盤には「Swiss」とだけ記されています。その後トリチウムに移行し、スイスでは1964年から「T」表記が義務化されたため、「T Swiss T」や「Swiss T<25」が見られます。1990年代末からはスーパールミノバなどの非放射性素材に替わり、「T」は姿を消しました。


これらの表記が示すのは文字盤の年代であって、時計の年代ではありません。1950年代の時計に「T Swiss T」の文字盤が付いていれば、ほぼ確実に後年の文字盤、多くの場合サービスダイアルです。


文字盤下部の表記が示すのは文字盤の年代であり、時計の年代ではない。

実用上の注意:ラジウムは放射性物質です。このような文字盤を削ったり、磨いたり、自宅で開けたりしてはいけません。


2023年のテンポ・パサード(リスボン)のブースで販売される懐中時計

2023年のテンポ・パサード(リスボン)のブースに並ぶ懐中時計。写真:IPR


針、ケース、リューズ


針は簡単に交換できるため、その時計本来のものでないことが最も多い部品のひとつです。記録された個体と形や長さを比べましょう。分針は分目盛りに、時針はインデックスに届いているはずです。


ケースでは研磨の跡を確認します。過度に研磨されたケースはエッジの鋭さや面取り、ラグの形を失い、その損失は元に戻せません。メーカーが通常刻印していた位置にあるリファレンスとシリアルナンバーが判読でき、モデルと整合しているかも確認しましょう。金時計ならホールマークを探します。


リューズ、風防、ブレスレットの交換は古い時計では普通のことで、オリジナルと偽られていない限り、価値への影響は小さいものです。


テンポ・パサードで見られたエドックス ジオスコープ

テンポ・パサードでのエドックス ジオスコープ。写真:IPR


ムーブメント


ムーブメントを見せてもらいましょう。キャリバーがリファレンスに合っているか、本来あるべき場所にメーカーの銘があるか、錆や湿気の跡、ドライバーの扱いが悪くて傷んだネジがないかを確認します。


目の前で時計を動かしてもらいましょう。手巻きでリューズが引っかかりなく回るかを確かめ、時刻を合わせ、日付があれば送ってみます。ただし、時刻変更のガイドで説明したとおり、深夜0時前後は避けてください。自動巻きはそっと動かしてローターが回るか確認し、クロノグラフはスタート、ストップ、リセットを何度か試します。


動く時計がオーバーホール済みの時計とは限りません。汚れたムーブメントや油の乾いたムーブメントは、内部で摩耗しながら何週間も動き続けることがあります。


書類、箱、アーカイブ抄本


オリジナルの箱と書類は、特に番号が時計と一致する場合、価値を高めます。必ず一致を確認しましょう。書類や箱だけが別に売買されることもあります。


オメガ、ロンジン、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、いくつかのメーカーはシリアルナンバーをもとにアーカイブ抄本を発行しています。一般にリファレンス、キャリバー、日付、出荷先の国が記載されます。条件、料金、所要期間はメーカーごとに異なるため、各社のウェブサイトで確認してください。


抄本が証明するのは、その番号が存在し、工場が何を記録したかということです。目の前の文字盤、針、ケースがその番号とともに出荷されたものであることまでは証明しません。たとえばオメガの場合、記載される日付は完成品の出荷日であり、製造日ではありません。


テンポ・パサードで見られたイエマ ワールドタイム

テンポ・パサードでのイエマ ワールドタイム。写真:IPR


防水性とオーバーホール


1960年代のダイバーズウォッチは、文字盤に何と書いてあっても、もはや防水ではありません。パッキンは劣化し、風防やリューズが交換されている可能性もあります。水に入る前に防水検査を受けましょう。


購入価格にはオーバーホール費用を加えて考えましょう。多くの古い時計では避けられず、部品が廃番になったキャリバーでは部品を探したり製作したりする必要があるため、時間がかかることがあります。


ヴィンテージウォッチの価格とは、売り手に払う額に時計師に払う額を足したものだ。

誰から買うか、法律はどう定めているか


購入前に、同じリファレンス・同程度のコンディションの成約例と比較しましょう。相場を大きく下回る価格は、幸運であることはめったにありません。


事業者が販売する場合には、守るべき一連の決まりがあります。個人間の売買にはこの制度は適用されません。詳しくは「時計の保証――押さえておきたい法的枠組み」で解説しています。


テンポ・パサードで見られたエブドマスの時計

テンポ・パサードでのエブドマスの時計。写真:IPR


テンポ・パサードで


テンポ・パサードは11月28日(土)10時から18時まで、リスボンのリスボン・ジュピター・ホテル(Avenida da República, 46)で開催されます。

企業と個人のどちらも参加でき、古い時計、部品・付属品、工具、その他の時計関連品の売買が行われます。来場者チケットと出店者登録はIPRのウェブサイトで、フェアの情報はwww.tempopassado.ptでご覧いただけます。


ルーペを持参し、質問をし、売り手の説明をメモしておきましょう。フェアでは売り手も時計も目の前にあります。質問するには絶好の機会です。修復を手がける人にとっては部品市場でもあり、当時の針やリューズ、風防がテーブルのどこかに見つかるかもしれません。


購入したあとは


すでに時計を購入した方、購入を検討している方は、IPRの工房にお持ちください。見つかった不具合と解決策を記した見積もりを無料で作成します。オリジナリティについてはあくまで意見をお伝えするのみで、鑑定・認証はIPRが提供するサービスではありません。


時計の受付は月曜から金曜、10時から12時、13時30分から17時まで、リスボンのRua Alfredo da Silva, 13Bで行っています。

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