10月28日
今日のまとめ
Phillipsは11月7日・8日、ジュネーブでCartierの「Portico No. 4」を競売にかける。1924年製のミステリークロックで、6点のシリーズのうち唯一六角形の文字盤を持ち、予想落札価格は180万〜320万スイスフランである。
WatchProの集計によれば、2023年からRolex傘下にある小売業者Buchererは、1月以降に世界で開業したRolexブティック13店のうち7店を開いた。新作では、Nomos GlashütteがClubに手巻きキャリバーDUW 4001を搭載した38.5mm版を加え、ヌーシャテルのElka Watch Co.は同市の中世の塔「Tour des Chavannes」に新作の2バージョンを捧げた。
Phillips、六角形文字盤を持つCartierのミステリークロック「Portico No. 4」をジュネーブへ

PhillipsはBacs & Russoとの共催で、11月7日・8日にジュネーブのHotel Presidentで開く「The Geneva Watch Auction: XXIV」にCartierの「Portico No. 4」を出品する。ロット220、予想落札価格は180万〜320万スイスフランで、1996年以来初めてオークションに戻ってくる。下見会は11月4日から7日まで。
Cartierは1923年から1925年にかけて、時計師Maurice Coüetとともに6点のPorticoを製作した。その形はアジアの寺院の門を思わせ、カットを施したロッククリスタルの文字盤が2本の柱の間に銅鑼のように吊り下げられている。No. 3とNo. 4はシリーズで最も大きく精緻な作品で、丸柱ではなく角柱を持つのもこの2点だけだ。No. 4は文字盤が六角形である点で他のすべてと異なり、残る5点の文字盤は十二角形である。
高さ38.5cm、幅28cm、重さ10.6kg。イエローゴールド、プラチナ、エナメル、オニキス、翡翠、マザー・オブ・パール、シードパール、ダイヤモンドを組み合わせる。ベゼルはオニキスと翡翠に、ダイヤモンドをセットしたローマ数字と内側のパールの列を合わせ、ローズカット・ダイヤモンドをパヴェセッティングした針が龍を描く。黒エナメルで装飾したロッククリスタルの柱の根元からは、翡翠の木が2本伸びる。
ミステリー効果は機械的な工夫から生まれる。各針は透明なディスクに固定され、ムーブメントが見えない位置でそのディスクを外周から回転させるため、針はどの機構ともつながらずに浮いているように見える。Cartierがこの原理を初めて用いたのは1912年の「モデルA」で、19世紀のフランスの時計師で奇術師のJean-Eugène Robert-Houdinによる幻想時計という先例がある。Porticoでは、European Watch & Clock Company製の鍵巻きムーブメントが、それ以前のCartierのミステリークロックのような台座ではなく、文字盤上部のアーチの中に隠されている。
この時計はLouis Cartierの孫Alain Cartierが所有していたもので、インド西部の藩王国ナワナガルのマハラジャのコレクションにあったとされる。最後に公の場で売却されたのは1996年11月19日、ジュネーブのオークション「The Magical Art of Cartier」で、2002年付のCartierの真正証明書が付属する。ローズクォーツの柱と十二角形の文字盤を持つPortico No. 3は、2025年5月にPhillipsで393万2000スイスフランで落札された。
詳しくはオークションハウスの公式サイトへ。
Bucherer、2026年に開業したRolexブティック13店のうち7店を開く

2023年にRolexが買収したスイスの小売業者Buchererが、今年開業したRolexブティックの半数以上を開いた。1月以降の開業をWatchProが分析した結果で、新たな単一ブランドのブティック13店のうち7店がBuchererのものだという。
Buchererの開業は4月のミュンヘンに始まり、5月にシュトゥットガルト、6月にスイスのティトリス山(世界で最も高所にあるRolexブティックとされる)、同じく6月に上海で2店目が続いた。10月にはさらに3店が加わった。シアトル近郊のベルビュー、BuchererにとってフランスでのRolexブティック第1号となるパリ、そしてWatchProによれば香港・中環のMandarin Oriental内である。10月22日にRadarが報じたとおり、パリ店は2フロアで、認定中古時計のスペースを備える。
残る6店は独立系小売業者による開業で、バンコクとクアラルンプールのCortina Watch、ウダイプールのKhimji's Watches、ホーチミン市のDAFC、バージニア州マクリーンのLiljenquist & Beckstead、パルマ・デ・マヨルカのRelojería Alemanaである。
数字は集約が進む販売網を示している。Rolexによる買収時、Buchererは世界に100以上の販売拠点を持っていたが、WatchProによれば現在は約80拠点で、来年初めに開業予定のニューヨーク5番街のRolexブティックの運営も担う。Rolexの最高経営責任者Jean-Frédéric Dufourは2025年のDubai Watch Weekで、Buchererを拡大する意図はなく、最良の小売業者とのパートナーシップこそが成功の基盤だと述べていた。
詳しくは小売業者の公式サイトへ。
Nomos、Clubに手巻きキャリバーDUW 4001搭載の38.5mmケースを追加

Nomos Glashütteは、ザクセンの同ブランドのスポーティーなモデルClubの大型版「Club 38」を発表した。ポリッシュ仕上げのスチールケースは径38.5mm、厚さ8.4mm(サファイアバック仕様は8.5mm)、ラグからラグまで46.7mmで、100m防水。36mmのClubもカタログに残る。
リファレンスは2種類。769はシルバーメッキのホワイト文字盤に、赤いスーパールミノバを塗布したブラック針、黒で縁取ったグレーのアラビア数字を組み合わせる。770のClub 38 Rutheniumは、ルテニウムでガルバニック処理したダークグレーの文字盤に、白いスーパールミノバのロジウムメッキ針、黄色で縁取った数字を配する。いずれも6時位置のスモールセコンドにはスネイル仕上げを施す。
ムーブメントは手巻きのDUW 4001で、Nomosがグラスヒュッテで自社製造する調速機構「スウィングシステム」を備える。テンプ、ヒゲゼンマイ、アンクル、ガンギ車をサプライヤーから購入せず、ブランド自身が製造している。振動数は毎時21,600振動(3Hz)、パワーリザーブは53時間で、6姿勢で調整される。リューズを引くとテンプが止まる秒針停止機能により、秒単位で時刻を合わせられる。
価格はホワイト文字盤が1520ユーロから、Rutheniumが1560ユーロからで、Horweenのシェルコードバンのストラップを合わせる。サファイアバックは220ユーロの追加となる。
詳しくはブランドの公式サイトへ。
Elka、ヌーシャテルのTour des Chavannesに時・分のみの時計を捧げる

2022年にHakim El Kadiriが再興したヌーシャテルのブランドElka Watch Co.は、Rシリーズの特別版「Tour des Chavannes」を発表した。名前は1867年に取り壊されたヌーシャテルの中世の塔と、同ブランドがブティックを構えるRue des Chavannes 16番地の通りに由来する。Elkaは1877年にアムステルダムで創業したEduard Louis Kiek Amsterdamの名を受け継いでいる。
バージョンは2種類。「1736 Edition」はゴールドカラーの針と数字を合わせたブラック文字盤で、1736年にSamuel Müllerが描いた文字盤に着想を得た。「Pierre d'Hauterive」はブラックの表記を入れたベージュ文字盤で、ヌーシャテル地方の黄色い石であるオートリーヴ石灰岩を思わせる。
ブラッシュとポリッシュで仕上げたスチールケースは径40.8mm、厚さ10.8mm、ラグからラグまで46.5mm。シュヴェ型のドーム状サファイアクリスタル、プッシュプル式リューズ、サファイアバックを備え、50m防水である。
ムーブメントはラ・ショー=ド=フォンで製造される自動巻きのLa Joux-Perret G101で、振動数は毎時28,800振動(4Hz)、パワーリザーブは68時間。Elkaは秒針も日付も持たない時・分のみの表示で用い、文字盤をすっきりと見せている。価格は各バージョン1716スイスフラン(税別)で、限定シリーズではない。
詳しくはブランドの公式サイトへ。
注目点
11月初めのジュネーブにはオークションシーズンが集中する。11月7日・8日のPhillipsに続き、Christie'sは11月9日にFour Seasons Hotel des Berguesで218ロットの「Rare Watches」を開催する。Portico No. 4は大型置時計の市場を試すことになる。No. 3は2025年に390万スイスフランを超え、今回No. 4に設定された予想価格の上限を上回った。
Rolexの販売網は、より大規模な単一ブランドのブティックへの集約が続いている。来年初めに開業するBuchererが運営する5番街のブティックは、Rolexが拡大する意図はないとするグループ傘下の小売業者の役割がどこまで及ぶかを示すことになるだろう。
新作では、Nomosが36mmのClubを残しつつ、厚さがわずか0.2mm増すだけの38.5mmケースを加え、Elkaは68時間パワーリザーブのスイス製自動巻きキャリバーを2000スイスフラン未満で提案している。




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